ただ、日本では多少曖昧な部分を残し(残さざるを得ない)、中国ではより明確に白黒をはっきりさせる管理が必要です。
それはどのような事なのか具体的に上げてみます。
私が最初に手がけたのは教育制度です。
教育内容は大きく新人教育、認定教育、管理者教育に分かれます。
人の出入りの激しい中国では新人教育のウエイトが高くなります。しかも1週間の教育で基礎知識をたたき込み即戦力として現場に投入していきます。
認定教育は技能工(検査・マシン操作)などの専門知識や実技を教え認定試験を経て合格者が作業に着きます。認定合格者は毎月手当が付くよう給与制度を改めました。
また、エンジニア(工程師)の認定評価制度も明確にし技能工を指導でき、ハイレベルの技術を持ったものを優遇していきます。
管理者教育は、経験と認定資格に応じ昇格試験を受けさせ合格すると昇進する仕組みです。1年すると班長・主任などの役職に就き事が出来ます。当然給料もそれに見合って役職手当を支給するよう給与の基本体系も整備しました。
このような昇給・昇格制度と平行して厳しい罰則制度も設けました。
規則破り、不良流出、業務不履行などに対して、注意、罰金、解雇などの基準を設け、厳格に運用します。
教育制度、罰則制度に続いて人事考課制度を運用しました。認定試験、昇格試験による昇格とは別に半年に1回の人事評価を行い昇格させます。人事考課の項目基準は公開します。この制度は、現場管理者から目標管理を行う上級管理者までを対象としています。
この制度全体は2年掛けて整備し、トータルな人事制度として会社の重要な仕組みとなっています。会社のスムースな運営はしっかりとした人事制度から成り立つと考えます。
会社組織の運営がうまくいかない会社は人事制度が良くないと思います。
基本的な考え方は教育による技能アップ、公平な評価と処遇です。日系企業はここが曖昧なために中国人技能者や管理者が辞めていくケースが多いと感じます。
やめた人の言い分は「1年たっても2年たっても何の評価もしてくれない・給料もそのまま」とは良く聞く話です。また人事評価の曖昧さから不公平感も抱いています。
資格認定、成果の評価による昇格/降格、罰則を伴った規則の運用を厳密に実施することにより会社の共通目的を組織力で実現する日本的管理と、個人の実績を重んじ、公平な評価によりプライドも重んじる中国人の考え方との融合をうまくはかっていく事が重要です。
中国進出企業の工場管理実務・実例集
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