中国の工場では、強引とも取れるトップの統率力が無ければ成り立たない。社内規定整備や技能工の育成などで問題解決力を高めていく日本のやり方との根本的な違いがここにある。
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このブログは、中国華南での仕事の経験を基に、工場の管理とは?を追求し、メインテーマとして書き綴っています。まだまだ自分でも管理技術や、管理技術を実行に移す上でも未熟であり勉強させられることが多い毎日です。
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問題解決力の弱い工場の特徴として、前回、「組織構成員の意識の甘さ」を指摘した。
中国でも日本でも中小企業では、経営トップの力量によって工場運営がうまくいくかいかないか決まってしまう。問題解決力がある工場では、トップが工場全体を統率し問題解決力に優れた管理者を組織内のポイントにうまく配置している。これに対して問題解決力の弱い工場では、トップの統率が弱く、適正な人材配置も行っていない。「組織構成員の意識の甘さ」は工場トップの姿勢によるものと推測できる。
問題解決力のある工場のトップの条件
●中国の工場のトップは工場の問題点を把握し、それを解決できる社内人材の登用や社外人材の補強などで組織のポイントに人材を配置していかなければならない。
特に製造技術、品質管理、顧客窓口部門には高給の賃金を用意し優秀な人材を配置する。これにより、顧客の要望や、トップからの指令が各組織内部へ迅速に行き届くようになる。
●トップはいかに問題解決力のあるスタッフを発掘し、彼らに工場内をうまくまとめ、問題解決を図っていくかに手腕を発揮しなければならない。そして、配置したが力を発揮できないと判断したなら、そのスタッフは排除していく。この能力と実行力のないトップは失格である。
●トップはまた強力な人事部門を擁し、常に優秀な人材発掘のチャンネルを開拓、賃金制度、昇給制度などを整備、人材の定着に力を注がねばならない。
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中国の工場では日常様々な問題が発生している。
私はそうした中、ある「問題解決力」が極めて弱い「モデル工場?」について、中がどのような構造になっているか解析するチャンスに恵まれた。
この工場で仕事をするうちに、問題点は以下の3つに集約されると考えました。
1.情報の流れが悪い
動脈硬化で血管が細くなり血流が悪くなるのと同じで、情報が流れない、遅いなど、組織細胞がすでに死にかかっている状態。部門間および部門内部に情報を日常的に流す仕組み、また情報を吸い上げる仕組みが弱い。
2.曖昧な部門・部・課の役割
工場の各部門の役割、業務内容が曖昧になっている。これは経営層が問題を先送りして改善を怠っているために、仕事に適応し、効率よく機能する組織に成長していないと考えられる。工場として機能を果たすために各部門がどのような役割、機能を持っていないといけないのか?役割をどのように割り振らなければいけないのか?人材の配置はどうするか?問題を二度と起こさないためにトップは常にこのことを考えなければならない。
3.意識が甘い組織の構成員
トップが問題解決を先送りしているがために、中間管理層(部長・課長)の意識が低い。仕事に対する取り組み方が甘すぎる。納期を守ろうとする意識が薄い。責任感が希薄である。従って、作業員の意識・行動も必然的に甘くなる。
結果として、工場内に「ムリ・ムダ・ムラ」がはびこり、問題が起こっても責任逃れ、言い訳けが横行して、不良の流出や納期遅れなど、顧客に対する信頼の失墜、取引停止につながりかねない事態に陥っている。
この重傷の工場を建て直すためにどのような手段を講じていくか?トップを交代させる、見せしめに管理者を首にするなどの荒療治も時には必要になってくるが、根本的な解決策ではない。一つ一つ問題点を紐解いて行かなくてはならない。
4.解決の方策(1)・・・情報が途切れる場所を見つけ修復する
情報が届かなかった例を基に、どこで情報が途切れるのかルートをたどっていく。
情報伝達の手段・・・会議、電話、e−mail、文書、口頭などで情報は伝えられる。
情報の質・・・誰に何をいつまでにしてほしいのか、情報の内容が確実に伝わるかどうか5W1Hでチェックする。
情報伝達の相手・・・部門内、部門外の情報窓口、キーマン、役職者など。
情報到達の確認・・・文書を配布した後、もう一度電話で相手に確認する、E-mailを送るなど。
情報が途切れるのは、送り側、仲介者、受け側それぞれに原因があり、それを一つ一つ解決していく必要がある。
5.解決の方策(2)・・・建前の組織図は一掃する
情報が確実に伝わっても組織にその情報を処理する能力が備わっていなければいけない。部門ごとに部長がいて、課長がいて、係長、主任がいる。組織の役割が各実行組織に割り振られているかどうか?例えば、急ぎの生産指示が入り、今日中に生産しなければいけないときに、材料の準備、マシンの調整、必要数の作業員の手配など、敏速に実行できる組織体制になっているか?
ピラミット型の建前の組織図はいらない。個人名の入った連絡指示ルート、職務分担をわかりやすく表示した業務フローの作成、見える化を図ることが大事なのである。
6.解決の方策(3)・・・コミュニケーションで意識改革
仕事がうまくいかない原因を他人の性にして、何としてでも仕事を納期どおりに完成させるという意識が希薄で、管理者にも作業員にも甘えの構造がはびこっている。閉鎖的な組織の中での間違った価値観を改めるために、顧客の監査を積極的に受ける、顧客を訪問し品質や納期に対する考えを聞くチャンスを作るなどの外部の刺激が必要と考える。
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◆中国の工場で最初にやるべきこととは
第1に、トップダウンで全体をコントロールしていく仕組みを作ること。人事や給与、お金に絡む決済の権限をトップに集中させること。
第2に、トップのリーダシップの基に、教育カリキュラム、5S規定、チェックシートなどの現場のルール、賞罰制度などの工場の管理の仕組み(管理ツール)を作り、残して(規定化)、運用を維持すること。
と解説してきました。
ここまで説明すると、ISO9000のシステムを引き合いに出さなくては話が続かなくなります。ところがISO9000に当てはめて話を進めるとどうしても運用上の弊害が目立ち、導入効果が上がっていないのが大方の工場の実態ではないかと思います。
◆管理のツールをどうするか?
以下に管理のツールをどのようにして整備するか詳しく解説します。
ルールは出来るだけ簡素化し、しかも誰もが確実に実施出来るように、フローチャートや写真を多用しまた帳票の処理・配布ルートをフロー化するなどの工夫をし、長々とした文章形式の基準書は出来るだけ避けるようにします。
そして何より大事なのは、総花的な仕組みを作るのではなく、ポイントを突いた必要最小限の仕組み(管理ツール)を作ることに心がけることです。
一つの例として、工場の管理を4Mの切り口で整理し、4Mを一定レベルに維持管理させるために最低限必要な管理ツールを上げてみました。みなさんの各工場の実情に合わせて、必要なツールをそれぞれ考えてみてください。
ヒントとしては、今までに自社工場で発生した不良や仕組みの問題を上げてみることです。
人(Man)
・新人教育制度 ・人事・給与制度 ・賞罰制度
・専門技能訓練、認定制度
機械(Machine)
・機械運転マニュアル ・機械保守、メンテマニュアル
・測定器校正手順
材料(Material)
・入庫、出庫管理 ・ロット管理 ・耐用年数管理
・保管場所環境管理
方法(Method)
・5S管理 ・検査基準 ・不良品管理基準
・工程異常処理 ・標準作業マニュアル
・品質レビュー会議 ・生産進捗会議
・文書の発行、保管手順
・組織図
ISO9000取得済みの工場では、すでに上記のようなものが存在するはずですが、内容の見直しがされず、実業務とかけ離れた内容になっているはずです。
「4Mの維持」という観点で、もう一度重点項目を絞って整理してみてはどうでしょうか?
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