2010年 最低賃金上昇・人民元切り上げ! 日系企業の中国撤退増加!中国離れが始まった
中国進出日系企業・工場管理の裏話

中国この先、どうなる?
見誤ってはいけない超大国の5年後、10年後!


1 ニュースをにぎわす!いま注目のトピックス12
2 「世界一の市場」に膨らむ経済・産業の現状と未来
3 強硬な戦略で突き進む政治・外交の現状と未来
4 歴史認識問題と国益が交錯する日中関係の現状と未来
5 覇権主義の台頭が危惧される軍事パワーの現状と未来
6 急激な発展のツケがきた?社会・環境問題の現状と未来
7 豊かさを背景に変貌する市民生活・文化の現状と未来


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6月22日には広州トヨタで系列の部品メーカーのストライキで創業が停止した。日本経済新聞によれば、中国で相次いでいるストライキは中国全土に広がっていると伝えている。
2010年は二年ぶりに中国各都市の最低賃金が引き上げられ、6月には再び中国元の切り上げが容認され、中国輸出産業にとって今後厳しさが一層増す。

参考
 中国 2009年最低賃金の動向
 中国 2010年最低賃金の動向


中国の最近の主なストライキ

天津市
 部品メーカーのストで天津一汽トヨタが創業停止

西安市
 ブラザー工業のミシン工場でスト

上海市 
 台湾系の電子工場で数千人が賃上げを求めスト

広東省
 ・フォックスコンの深セン工場で従業員の連続自殺発生
  取引企業が実態調査に乗り出す
 ・部品メーカーのストでホンダの4輪車工場が操業停止
 ・部品メーカーのストで広汽トヨタが創業停止 

トヨタの張富士夫会長は、ストが相次いで発生しているにもかかわらず、市場が拡大している中国を睨み、すぐに大きく戦略を変える段階ではないと、冷静に対応する考えを示している。

一方で、人件費上昇を吸収しにくい雑貨、ゲーム機などの業界の立場は異なる。家具チェーンのニトリは4〜5割を中国で生産しているが、似鳥昭雄社長は、徐々に中国生産比率を下げていく方針と話している。
フォックスコンにゲーム機「Wii」などを生産委託している任天堂の岩田聡社長は調達戦略の見直しは避けられなくなるとの見通しを示している。





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関連タグ : 中国最低賃金,

中国最低賃金動向・推移は中国経済の行く末を占う指標としても注目されている。
2010年に入って、中国では、各地方がこぞって最低賃金を引き上げようとしている。そのことは中国に何をもたらし、また中国進出企業にどのような影響があるのだろうか?


参考:中国 2009年最低賃金の動向


1.最低賃金引き上げの目的
(1)超人手不足現象を前提にして、各地行政当局が地元に労働者を吸引するため
(2)労働集約型産業を追い出し、産業の高度化を図るため
(3)最低賃金引き上げ、年金UPなど生活レベルの引き上げにより社会の安定を図るため

■江蘇省(杭州・寧波など)
 2月から850元→960元(約13%引き上げ)

■上海市
 4月から960元→1100元(約15%引き上げ)

■浙江省(蘇州・無錫など)
 4月から960元→1100元(約15%引き上げ)

■福建省(厦門・福州など) 
 800元〜900元(平均で24.5%)

■深セン市
 7月から1000元→1100元(10%引き上げ)

■東ガン市
 7月から770元→920元(19.5%引き上げ)

■北京市
 7月から800元→960元(20%引き上げ)

■天津市
 4月から820→920元(12%引き上げ)

2.人手不足の実情
大学卒などの就職難が取沙汰されているが、大学卒の若者は「3K 現場」には行きたがらず、手を汚さない事務職な
どを希望しており、一般ワーカーの人手不足が浮き彫りになっており需要供給の完全なミスマッチとなっている。

・東莞市の人口は、2009年の1年間で、200万人近く減少した
・大連では、製造、外食、不動産業等で人材不足。賃金を10%UPも効果なし
・浙江省はワーカー不足数が30万人と発表。ことに杭州市は12万人不足。
・珠江デルタ全体で、200万人の労働者不足。特に東莞市は100万人以上不足

3.世界の工場の終焉
人手不足の真因は工場の内陸部移転である。中央政府の内需拡大政策、地方政府の投資拡大合戦のおかげで、農民工の地元に就業機会が急激に増加した。その結果、外需主体の沿岸部の工場に人手が集まらなくなり、工場激減・輸出不振という結果になっているのである。

これまで外貨の獲得源だった外資の労働集約型産業は、人手不足、人件費アップ、労働争議多発、人民現高など
を嫌い、今後、中国から他国へ転進していくだろう。高付加価値産業への構造転換を目指す広東省では、労働集約型産業の撤退を好都合としているが、単純ではない。最近の外資の撤退スピードはきわめて早く、このままだとまだ十分に次の高度産業が成長していないのに、広東省には空き工場だけが残ってしまう危険性さえ生じてきている。




  
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中国で安い金型を作る(その4:中国製鋼材は高くつく)

■金型の良し悪しとはなんだろうか?
 1.製品の図面から、金型製造に必要な要素を盛り込んだ金型設計が良いこと。
 2.金型図面に忠実に作られ、精度が高いこと。
 3.金型の「耐久性」が高いこと、つまり故障が少なく、寿命が長いこと。

前回までは主に2項に関して、中国人技術者・作業者のスキル「4M管理のMAN」
および、中国製工作機械の精度・価格「4M管理のMachine」にスポットを当てて分析した。

今回は3項に関連して中国製鋼材「4M管理のMaterial」についての分析を試みる。


■中国の鉄鋼メーカーと鋼材調達の現状
上海宝鋼集団公司は中国最大の鉄鋼メーカーである。 2008年の粗鋼生産ランキングでは日本のJFEスチールを抜いて3位になった。日本の新日本製鐵の協力を受けて建設され、すべての設備は最新鋭設備である。
そのほかにも主な鉄鋼メーカーは、鞍本鋼鉄集団、江蘇沙鋼集団、河北鋼鉄集団、武漢鋼鉄などがあるが、中小の高炉もメーカーも多数存在している。

上海宝鋼の鋼材は、一定量を継続して買い続け、太いルートがないと安定的に購入することはできない。「買えることもあれば、買えないこともある」という状況であり、問屋から必要に応じて購入していると、中小高炉の製品を使いこなしてゆかなくてはならないことになる。中小高炉の製鉄所の生産性・品質は大手の製鉄所の品質に比べると格段に悪い。

■中国鋼材の品質
例を上げると、鋼材の表面肌が汚いため、日本向けの外観重視の部品は、ワンランク厚いものの表面を削って使わなければならない。日本の鋼材では材料肌のまま使用出来る。また鋼材問屋は鋼材を野積みして保管しており、表面が真っ赤に錆びていることがある。そのためショツトブラストで錆落しをしなくては使えない。

中国の鋼材でも規格は当然あり、基本的には規格に合格したものが流通している。ただし中国製の鋼材は、規格値をギリギリでパスしていることが多い。また規格で定められていない成分や性質が、とんでもない値を示すこともある。

■鋼材の価格
原材料である鉄鉱石とコークス(石炭)は、いずれも国際商品で、その価格はほぼ世界同一である。中国は多くをを輸入に依存しているため原材料の調達価格は、日本の高炉メーカと同じか、より高いと考えられる。その理由は歩留まりにある。中小規模の製鉄所の生産性は悪く、酷いところでは日本の半分以下と言われている。

また鉄鋼問屋の在庫のバリエーションが日本ほど豊富ではない。そのため日本ではパイプ状の部品は、パイプ状の材料から作るが、中国ではパイプのバリエーションが少ないため、無垢の棒状の鋼材をくり抜くところから加工を始めなくてはならない。つまり5キロの製品を作るのに、日本では6キロの材料を使う場合でも、中国では10キロの材料を使うことになる。

インターネットで上海の鋼材価格推移をいくら眺めても、このようなことは分からない。現地で実際に鋼材を調達してみて始めて事実が分かるのである。

中国で安い金型を作る(その1:安い金型とは?)
中国で安い金型を作る(その2:金型製造にかかわる熟練技能者)
中国で安い金型を作る(その3:中国製工作機械の精度は世界一)
中国で安い金型を作る(その4:中国製鋼材は高くつく)

中国金型産業 ■中国進出日系中小企業



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中国で安い金型を作る(その3:中国製工作機械の精度は世界一)

■金型の良し悪しとはなんだろうか?
 1.製品の図面から、金型製造に必要な要素を盛り込んだ金型設計が良いこと。
 2.金型図面に忠実に作られ、精度が高いこと。
 3.金型の「耐久性」が高いこと、つまり故障が少なく、寿命が長いこと。

前回は2項に関して、中国人技術者・作業者のスキル、4M管理のMAN(人)にスポットを当てて分析を試みた。
今回は同じく2項に関連して中国製工作機械、4M管理のMachineにスポットを当てる。

■工作機械の生産高は中国が世界一
日本が2009年の工作機械の生産額で28年ぶりに世界一の座を明け渡したと日本工作機械工業会が16日発表した。首位は中国で、日本はドイツにも抜かれ、3位に転落した。中国は前年比8.9%増の109億5000万ドルと主要国で唯一、前年実績を上回り、3位から1位に浮上。日本は56.5%減の58億8890万ドルと大幅に落ち込んだ。ドイツは35.2%減の78億2160万ドルで2位を守った。

中国製工作機械の最大の魅力は「低価格」そして「短納期」といわれる。機械の機種によっては日本メーカー製の半分の「価格」と「納期」の製品もある。中国製工作機械を導入されるにあたって、よく検討しなければならないのは「工作機械の品質」「メンテナンス体制」。
シェンヤン マシンツール グループ;沈陽机床(集団)有限責任公司(SHENYANG MACHINE TOOL(GROUP)CO.,LTD.) 
は中国最大かつ「生産量では世界一」の工作機械メーカーだ。
 
シェンヤン マシンツール グループの主力製品となるCNC立旋盤は日本の立旋盤メーカーとの技術提携をした製品に、日本人技術者の指導の下、更に改良を加えて完成した本格的CNC立旋盤である。主要パーツ(ベアリング類、ボールねじ類、油圧機器、電気部品など)は日本製の部品を輸出供給。日本人技術者の指導の下、組立を行っている。またCNC装置はFANUC社製を採用しており、FANUC社との保守契約によりサービス体制は万全だ。機械の品質は高精度加工と重切削を保証し日本のメーカーのものと比較しても遜色はない。

このように中国製の工作機械は急速に精度が向上しシェアーを伸ばし、圧倒的な強さを誇った日本の工作機械を駆逐している。

■精度は高性能マシンだけでは保証できない
設備が充実した中国金型工場は良く見かけるようになった。しかし、機械加工の場合設備の充実は、加工できる範囲、つまり仕事の幅が拡がるだけで製品の質が上がるとは限らない。その設備を使いこなし、いかに不良品の出荷を食い止められるかが工場の精度を上げることに繋がる。

そのためには3次元測定器などの精密測定器の配置とそれを使いこなす訓練されたオペレーターは必須である。また機械の精度を直接左右する工具管理は専門の管理員が定期的に工具の寸法検査などを行って、定期的に工具交換を実施するなどの体制を充実することが重要なポイントとなる。測定技術や、日常の品質管理が充実している金型工場は、日本人からノウハウを学んでいることが多い。

■安い機械を使いこなす
しかしそうは言っても一般的には中国製の機械は日本の機械を真似た精度の悪いコピー品も多く出回ってる。また古い機械ほど精度が悪いのは事実。この場合何が何でも使うしかないが、熟練した加工オペレータの確保、日本的な品質管理、測定技術を駆使しミクロン単位の精度も実現できないことは無い。高価な日本製機械を導入しなくても実際に苦労しながら中国製の機械で高精度を実現している工場もある。

高精度=日本製の高価な機械という神話は過去のものとなった。
圧倒的に安い中国製の機械を積極的に導入すること、一方で古くて精度の低い機械でも熟練と、品質管理によって、かなりの精度は保証され、しかも安い金型が製造可能となる。



中国で安い金型を作る(その1:安い金型とは?)
中国で安い金型を作る(その2:金型製造にかかわる熟練技能者)
中国で安い金型を作る(その3:中国製工作機械の精度は世界一)
中国で安い金型を作る(その4:中国製鋼材は高くつく)


中国金型産業 ■中国進出日系中小企業



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中国工場撤退の厳しい現実(その3 撤退に至った要因は何か?)
具体的に撤退せざるを得なかった要因は何かを分析してみると、やはり高価格体質が染み付いた委託の進め方が浮き彫りになってくる。


もちろん、委託先の台湾企業が仕事を途中で放棄し、ギブアップしたことは許せないが、委託する側にも問題があった。

1.委託企業調査不足
トップの知人の紹介ということで、委託先の会社の財務状況、経営者の資質、生産能力等の客観的な調査が行われていなかった。企業監査、工場の品質監査など客観的な評価のステップは必ず踏むべきである。
後日、信用調査を行った結果、資金繰りがかなり苦しい会社であることが判明、取引銀行からの借用もままならない状況であった。

2.技術委託の誤り
この委託先の企業ははもともと、完成された製造技術・製造工程をすべて与えられて仕事をするというスタイルの会社であり、今回のように共同で委託先工場の設備・工程に合わせて製造技術を工夫し完成させるという性質の製品の委託は受け入れが困難であった。

この委託スタイルに対する考え方の相違が最後までお互いのコミニュケーションギャップを引き起こしていた。このような状況で量産を開始したが、工程の問題により度々ラインストップが発生したり、購入材料の在庫切れで生産できない状況も発生した。旧正月の連休を挟んでライン能力不足が深刻になり生産量が極端に低下し、顧客からの需要に対し6割程度の生産を確保するのが精一杯であった。

3.コスト構造検証不足
この製品は激しい価格競争にさらされ、納入価格が極端に低く抑えられていた。ところが委託側から有償支給される材料は従来からの延長で、指定業者からの購入であり価格が据え置かれたままであった。納入価格に対し委託先からの仕入れ価格の差(粗利)は10%も取れない状況に陥っていた。委託先からは支給材料の値下げ要求を強く求められていたが、そのまま現状価格で押し切っていた。
また金型、冶工具等の初期投資金額、試作費用などの投資が製品代に上乗せできず、投資資金の回収が困難になっていた。    

厳しいスケジュールの中、半ば強引に委託生産の準備を進めてきたが、量産の段階に至って結果が出せず、すべてが破綻、最終的に撤退の道を選択せざるを得なくなった。

儲からない商売は失敗が見えている。
多少のリスクはあっても、儲けが出れば互いに協力し合える。
結論として、高コスト体質をそのまま委託先企業に押し付けた委託側の無策が撤退に至った要因といえる。



中国工場撤退の厳しい現実(その1: ついに中国から撤退する日がやってきた)
中国工場撤退の厳しい現実(その2: 中国撤退の現状)
中国工場撤退の厳しい現実(その3: 撤退に至った要因は何か?)

<<<続く>>>



  


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